ままごと お店屋さんごっこ

ままごとやお店ごっこは、男の子も女の子も大好きな遊びのひとつです。

また「配る」「切り分ける」「売り買いする」といった行為を通して、身体を通して数の世界を体験していきます。

具体的な物を使って数に触れていると、子どもたちは、いろんな疑問を抱いたり、自分で数の秩序を見つけ出したりします。

子どもたちがままごと遊びを通して、数の世界と親しむためのアイデアを紹介します。

 

ままごと、お店屋さんごっこと子どもの育ち

記憶したものを思いだす力が育つ

「お風呂に入る」とか「寝る時間」といったシーンをより具体的にていねいに再現して遊ぶと、ままごとの楽しさが増します。

また、そうした日常の出来事をていねいに再現して遊ぶことで、記憶したことを思い出す力が育ちます。

ごっこ遊びにお風呂のシーンを入れるとなると、湯船につかって終わりとなりがちです。

でも、実際にお風呂に入る時には、シャワーをかけて、「目にシャンプーが入らないように……」と気をつけて洗ったり、

湯船につかる格好をして10数えたり、風呂から出る時はバスタオルでよくふいたりするなど、お風呂に入ることにまつわるプロセスは他多種多様です。

そうしたひとつひとつの場面を丁寧に再現して遊ぶと、出来事をしっかりと記憶する習慣がついてきます。

寝る時間でしたら、ぬいぐるみに絵本を読みきかせて電気を消して、「おばけさんこないでね」っと言って寝るふりをすると、子どもは心から満足した表情をします。

 

ままごと、お店屋さんごっこと問題解決

買い物に行く場合も、財布を忘れて取りに戻ったり、スーパーのカートを押すふりをしたり、重いものを抱えて買ったり、お菓子を選ぶなどさまざま場面を体験します。

実際の出来事の中で、こんな風にひとつひとつの活動をていねいに味わいながらするようにすると、それがそのまんまごっこ遊びのシーンのように楽しくわくわくするものになります。

ごっこ遊びでは子どもがイメージを自分で思い出して、次々と新しい展開を創り出してくれるはずです。

 

ままごとと想像力

想像力を使うと、おもちゃが少なくても楽しく遊べます。

本物すぎるおもちゃよりも想像力を使って、「オーブンがあるつもり」でスイッチを押したり温度調節したり、時間を設定したりすると楽しいです。

 

「あ~何度にしようかな?180度だと熱すぎてこげちゃうかしら?」

と椅子の下をのぞきこむとか、

「あっ、オーブンが動かない!」

とボタンを何度も押してあせる真似をしてから修理屋さんに電話して呼んだりして遊びます。

 

「あの~ピザって熱いですよね。ピザを食べた後で冷たいものが食べたくなったら、食べられるようなものって売っていますか?」

と言うなど、子どもが自分の知恵を使って楽しめるような注文を出すとワクワク感が増します。

 

ままごとと数の世界

幼い子たちは、物を一対一対応させていく作業の中で数についての基礎的な理解の土台を作っていきます。

子どもと楽しく一対一対応させながら楽しめる遊びを紹介します。

 

1対1対応

ぬいぐるみの一体一体にふとんをかけていく作業も一対一対応に気づいていく時期の遊びです。

まくらやふとんを折り紙やティッシュペーパーで手作りするのも楽しいです。

 

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上の写真は、積み木でお人形の椅子と机を作って、

食べ物に見立てたおはじきなどを配っているところです。

 

ままごと と かけ算、わり算の基礎

ままごと遊びでは、花はじきやデコレーションボールやどんぐりなどのような、たくさんあって配ったり分けたり移しかえたりできるものがあると重宝します。

配るためのトング(安全性の高いもの)を用意すると配る遊びに集中できます。

 

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子どもに配り方を指示する必要はありませんが、大人が遊びにつきあう時に、配り方を見せてあげると良いでしょう、

 


それぞれの月齢によって、やってみたがる配り方やちょうどいい課題があります。

配り方例

● 2ずつ配る

● 3つずつ配る

● だんだん数が多くなっていくように配っていく

● 色のちがうブロックを2つずつ配る(↓の写真)

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45こあるものを9枚のお皿に同じ数ずつ分ける

ままごと遊びのついでに

課題にチャレンジしてみます。

 

上の写真は子どもが、

「45こあるものを9枚のお皿に同じ数ずつ分けたら、ひとつの皿は何個ずつになるでしょう。」

という課題にチャレンジしているところです。

こうした課題は、クイズとしてこうした問題を楽しめる年齢になったらします。

 

上の写真は、「22こあるものを3枚のお皿に同じ数ずつわけると、どうなるでしょう?」

という課題です。

あまり1を目で確かめます。

 

ままごととメニュー表

ままごと遊びにメニュー表を取り入れましょう。子どもの年齢や理解力に合わせて、楽しめるレベルのものにします。

 

メニュー表はままごと遊びを盛り上げてくれる魅力的なアイテムです。

幼い子と遊ぶ場合、両手をメニュー表に見立てて、注文したいものを選んでいるふりするだけでも楽しいです。

大きいサイズ、中くらいのサイズ、小さいサイズの飲み物を注文し、量を調節しながらおはじきやビー玉を注いで遊びます。

2年  水のかさでも紹介しています

 

3年 重さ でも紹介しています

 

5の合成  レストラン

足して5や10を作る問題への理解を深めるために、紙皿にビー玉やデコレーションボールなどを分けて、5や10の合成させて運ぶレストランごっこをしましょう。

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3つ、4つ、9つと、1~9までのデコレーションボールを乗せたお皿(紙皿など)と、何も乗せていないお皿を用意します。

「空っぽのお皿に、合わせて10になるようお料理を乗せてね」と言います。

”7個入りのお皿と3個入りのお皿”のように合わせて10の組み合わせができたら、

レストランのウェイターやウェイトレスがするように、右手と左手にお皿を乗せてお客さんのもとに届けます。

お客さん役の子は、きちんと10になっているか数えて確かめてから、受け取って食べる真似をします。

 

1年 いくつといくつ  でも紹介しています

 

お店やさんごっことお金

お店屋さんごっこのお金を作っておくと、遊びの場面でも勉強の場面でも役立ちます。

ただし、まだ準備のない子に計算を教えようとして、ごっことしての楽しさや自発的に学ぼうとする意欲を奪ってしまっては元も子もありません。

遊びで使用する場合は、子どもに自由に使わせるのがいいです。

 

お店で売るものの前にトランプをおいて、値札のかわりにするのも楽しいです。

カードの数だけおはじきなどを支払います。

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道具 お金 でも紹介しています

 

「ひと箱に4つ」って、どういう意味?

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子どもがよくつまずいている1,2年生向けの文章題に、

「ひと箱に4つずつケーキが入っています。

4箱とバラのケーキが2つでは、ケーキは全部でいくつになるでしょう?」

という問題があります。

この問題で、4+2とか4+4+2としてしまうまちがいがよくあります。

遊びの中で、「ひと箱に〇個ずつ入れる」とはどういうことか、体験しておく事が大切です。

 

折り紙とブロックを使って、ケーキを箱に入れる遊びをしてみましょう。

 

写真のように、ブロックと飾りのボールでケーキを作ります。

作ったケーキを折り紙で作った箱に入れ、ケーキ4つ入りの商品を作ります。

 

上の写真は、4個入りのケーキが2箱とバラのケーキが2個です。

 

ままごとのお店屋さんに、「4個入りのケーキを2箱ください」というように注文をしたり、

「3個入りのケーキを3箱とバラのケーキを1つください」といった形で注文を出します。

子どもにとって、この課題が難しい場合、無理に正解させようとしないで、大人が

「はい、4個入りのケーキを2箱どうぞ」と言ってケーキを差し出すといった形で、お手本を見せてあげるだけで十分です。

 

3年 わり算  でも紹介しています

 

応用

 割引チケットでひき算と親しむ

「5円引き」とか「10円引き」といったチケットを作って配ります。

お店の品物を売るときに、売値より割引チケットの値段だけひき算します。

子どもが割引チケットの計算をするのが難しい場合、大人が紙にひっ算を書いて、計算手順を見せながら、

割引きチケットの使し方を手引きをします。

 

ハンカチを広げて店開き

 

 

回転ずしやさん

規則性の基礎を学ぶために、回転ずしごっこはいかがでしょう。

テレビなどを乗せる回転台があると、回転ずしごっこをして楽しめます。

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赤、黄色、緑、赤、黄色、緑の順番にブロックのおすしを置いていきます。

まだ、そうした課題をやりたがらない子の場合、大人が規則通りに置いていく手本を見せる

だけにします。そんな風に目にするものに取り入れるだけでも、数学的な感性が刺激されます。

 

おたんじょうびと年齢

ままごと遊びのなかで人形たちの誕生日を祝います。

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お誕生日ケーキをブロックで作るとき、

ケーキの中におはじきやビー玉を詰めると喜びます。

ケーキの上に飾り付けていくのも楽しいです。

 

形に親しむ

アイクリームのコーン作り

お皿で丸を描いて、半分に切ってから

円すい形に丸めて、ソフトクリームのコーンを作ります。

子どもにはこの作業がなかなか難しいです。

円の中心部分が円すいのてっぺんになることに気づくように

お手本を見せます。

できあがったら、ソフトクリームに見立てた綿を入れます。

綿は子どもが扱いやすくて何度も繰り返し使える工作素材ですが、

何でも口に入れる幼い子がいる家庭では扱いに注意してくださいね。

ティッシュペーパーや新聞紙でも十分楽しめます。

 

6年円の面積 でも紹介しています

 

ピザ作り

プラスチックのお皿や手作りのコンパスで丸いピザを作ります。もしおうちにコンパスがあるなら、

コンパスを使って円を描くのもおすすめです。注文に応じて、半径をはかってピザを作ります。

見栄えが悪くても、散らかってゴミがでても、ちょっとした作業を取り入れて遊ぶと、

子どもが自分で手間をかけた分、学びのスイッチが入ります。

 

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餃子作り

ピザ作りと同じように、丸い形のもので型を取ったり、コンパスを使ったりして

円を描きます。

6年 円の面積 でも紹介しています

 

電話で注文をする宅配遊び

 

「はい」「もしもし、ピザ屋さんですか?」

「はい、そうです」

「チーズとベーコンのピザをください」といったやり取りの後で、

電話の注文通りにピザを用意して届けます。

 

 

ぐるぐるキャンディー

コンパスを使って、少しずつ大きな円をかいていって棒つきのキャンディーを作ります。

コンパスを使うのが楽しくなります。

発展

ままごとで使っている食べ物にキャンディー、ドーナツなどに、

60円、120円などの値段をつけて、100円分や300円分買うパターンを考えてみます。

 

ままごと、お店屋さんごっこを通して育まれる力

<ままごと、お店屋さんごっこを通じて育つ力>

■ 実行機能

■ 記憶

■ 巧緻性

■ 問題解決能力

ままごと、お店屋さんごっこで育つ算数のセンス>

■ 数える  

■ 図形  

■ 計算 おつり

■ 規則性