教室で見かける2歳児の姿

2歳代の子たちは、「イヤ!イヤ!」とごねる一方で、秩序のある活動に集中して取り組むことも増えてきます。

いろいろなことを自分でやってみようとします。

ひたすら物の名前を言ってもらいたがる時期から、「これは、りんごってことにしよう」と

いう見立てて遊ぶ時期に移っていきます。人形を一体一体椅子に座らせたり、ふとんをかけたりするなど、1対1対応を意識した遊びをよくしています。

子ども椅子を抱えて移動したり、かばんを引きずって歩いたり、椅子に登ったりするような全身を使った活動を熱心にします。

 

一対一対応

椅子やベッドなど、同じ形のものをたくさん作ってあげると、

ひとつに1体ずつ人形を乗せて行ったり、それぞれにエサをあげていったり

するのを楽しむ時期があります。

2歳前後からしばらく続きます。

 

1対1対応を楽しむ遊び

<トング>

ままごとでは、花はじきやデコレーションボールやどんぐりのように

たくさんあって、配ったり、分けたり、移しかえたりできるものがあると

重宝します。配るためのトング(安全性の高いもの)を用意すると

配る遊びが楽しくなります。

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子どもに配り方を指示する必要はありませんが、

大人が遊びにつきあう時に、配り方を工夫すると、

それぞれの月齢によって、やってみたがる配り方があります。

 

 

 

<トングを購入する時の注意点>

力を入れても指をはさまない構造のトングを選びます。

つかむ部分は金属部分がやわらかいもので覆われていて、

とがった部分がないかチェックしてください。

 

ピンセットも先が危険のない形になっているものを選びます。ピンセットで遊ばせる時は

ずっと大人が見守ります。大人が管理してください。

 

ままごとお店田さんごっこでも紹介されています

 

 

大きい 小さい 広い 狭い

<2歳児さんは枠が好き>

2歳の子たちと遊ぶ時は、ブロックや積み木で枠を作ってあげると、そこにぴったり収まるように物を詰めて遊びます。

下の写真は列車の車庫です。

「狭いね」「広いね」という言葉を意識して使っていると、広さに関する感性が育ちます。

 

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「お風呂」「お庭」など枠を作って人形を入れて、

「小さい、小さい、もっと大きくしよう」

「狭い、狭い、もっと広くしよう」といった

サイズによる問題解決を喜ぶ時期があります。

 

2歳児と算数の世界

2歳の子たちは、手指を使ってものを扱うことや言葉のリズムを通して、

数の世界と親しんでいきます。

大事なのは無理やり教え込まないこと。

「なぜかなぁ?」と首をかしげる時間も楽しむくらいの活動が

「算数、大好き!」という気持ちのもとになります。

 

数えるのを楽しく

今にも落ちそうな危なっかしい場所に、「1,2,3~」といくつ人形を乗せられるか

試してみます。このようにちょっとドキドキするシチュエーションを作ると

数を数えるのがとっても楽しくなります。

 

 

積み木のケーキに飾り付けをして、いちごやろうそくがいくつなのか数えています。

 

数を塊で見る

ひとつひとつ物に指を当てながら、「1」「2」「3」と数えていくことも大事ですが、

同時に、数を数えず、数を塊で見て「2!」「3!」とそのままとらえることも重要です。

 

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上の写真は赤い玉をランダムに貼って作った数カードの上に車を乗せては

全体の数を言っているところです。

2歳の子たちは、数の変化によって見え方が変わることを驚いた顔をして楽しんでいました。

 

手をたたいて音で数を確認

2歳児さんは簡単な手遊びを好みます。「2」と言いながら、2回手を叩いたり、

「3」と言いながら3回叩いたりします。鈴やタンバリンやたいこがあるとさらに楽しくなります。

数の通りに手を叩けなくても構いません。

「り、ん、ご、など言葉を言いながら手を叩いて、りんごは3つの言葉だね」といった確認をするのもいいです。

いろいろな形で数と出会うと、数の世界が大好きになります。

 

ドアをとんとん

幼い子たちは、ドアをとんとんたたくのが大好きです。

お家や部屋のドアでもドールハウスのドアでも

たたく前に「3回とんとんとんってしよう」とか、「いないね。だれも、でてこないね。

今度は5回、とんとんとんとんとんってしよう」と回数を決めてたたいてみます。

こんな風に子どもが繰り返したがることに数を取り入れていくと、

自然に数の世界に親しんでいきます。

 

いっぱい入れる

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花はじきやビー玉などを容器に入れる作業を喜びます。

透明のプラカップに入れて、少ないものから大きいものへ順に並べて見せてあげます。

「少ないえさは小さいねずみさんに。いっぱいいっぱい入っている

えさは大きなぞうさんに。」と言いながら、人形にえさをあげると量への興味を抱きます。

 

高さ

ブロックや積み木をどんどん積んでいく物作りを好みます。

紙箱にブロックより少し大きいくらいの穴を開けると、ドーナツ型のエレベーターになります。

高いところから、紙や板で滑り台を作ると、傾きによって転がり方がちがうことに気づきます。

 

トンネル作り

ブロックや積み木でトンネルを作ると、高さへの気づきが生まれます。

乗り物のてっぺんがぶつからないように作ること、トンネルの壁は同じ高さにすることなど、

遊びのなかで2歳児が解決できるレベルの課題が生まれます。

 

 

サイズを体感 車庫

ブロックでちょうど車が収まるサイズの駐車場を作って遊ぶとサイズへの気づきが生まれます。

並べる、並ぶ

ぬいぐるみたちを並べて、電車ごっこやバスごっこ。

切符を配ったり、乗り降りさせたりして遊びます。

こうした遊びは、前と後ろ、前から何番目などの理解の土台となります。

 

重さ

紙コップにひもをつけて、椅子の背にかけたり、ブロックで作った塔にひっかけたりすると、

たちまちエレベーターになります。もう一方のひもの先にも紙コップをつけると、

一方にビー玉やブロックなどを1つ入れるたびに、そちらが下がり、

もうひとつのコップがあがるエレベーターになります。

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ピタゴラスイッチ遊びで、「速い?遅い?」

 

<材料>

サランラップやアルミホイルの箱や巻き芯

 

<作り方>

サランラップやアルミホイルの箱は蓋を取って穴をひとつ開けます。

穴を開けていない方の箱の底に輪ゴムを貼ります。

 

アルミホイル等の巻き芯は、ビー玉が入りやすいように筒の一部をきりとったり、

小さいサイズの紙コップ等を装着します。

 

転がす遊びは形によって転がり方が異なることや、

「速い」と「遅い」の意味を理解するきっかけになります。

写真は、ホームセンターで1本100円くらいで売っている梱包用の筒です。

トイレットペーパーの芯を養生テープでつないで同様のレールを作ることもできます。

 

2歳児と創作活動 と 創作につながる遊び

丸を描いたり、線を描いたり、色塗りに興じたりします。少し手助けしてあげると、

はさみで切ったり、セロテープや糊で貼ったりして物作りも楽しめます。

粘土遊びも大好きです。粘土の中に小さい石を埋めていったり、

型で抜いたりする作業に熱中します。

この時期の子の創作活動は、「○○を作ろう」という目的はなく、

気分にまかせて切ったり貼ったりした後で、「~みたい」と見立てる場合がほとんどです。

「○○作ろうね」とうながして始めた工作が、途中から切り刻むだけの作業になることもよくあります。

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大人が作ってあげる工作物で遊ぶことも、創造性を刺激します。

 

くるくる回すのが好き 「乗れるかな?」

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くるくる回す作業は、トイレットペーパーの芯に毛糸をつけておくだけでも楽しめます。

くるくる毛糸を巻き取りながら、「1~2~」と数を数えていきます。

 

敏感期の活動と数

太さの異なるストローがあると、1,2歳の子が集中して作業するおもちゃが作れます。

 

作り方1  

<ストローの中にストローを入れていくおもちゃ>

太い方のストローの先に切り込みを入れて、タコ足に広げ、

土台にする紙に,テープで貼ります。

細い方のストローを適当に(2センチほどの長さに)切ったものを

いくつか作るとできあがり。

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作り方2   

<ストローにストローを通していくおもちゃ>

細い方のストローの先に切り込みを入れて、タコ足に広げ、

土台にする紙にテープで貼ります。

太い方のストローを適当に(2センチほどの長さに)切ったものを

いくつか作るとできあがり。

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面を埋める

ブロックの基礎板に隙間なくブロックをはめていく作業をする子がよくいます。

全て埋めると、達成感が生まれます。

枠を作って中にものを詰めていく活動も好みます。

 

数の絵本

1,2歳の子たちに数の絵本を作ってあげると、何度も見たがります。

 

作り方

タイトルにある数の遊びが楽しめるようになっている

見開き1ページだけの絵本を作ります。

画用紙を半分に折って、表紙にタイトルを貼ります。

 

 

 

 

 

下の写真の本は、切ったストローを3つを帽子のゴム(ひもでOK)に

通して、ページに貼っています。

ストローを移動させて、「1,2,3」と数える遊びができます。

 

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他にも、みかんやハムスターなど子どもが喜ぶものを素材に

数を数えながら遊ぶ絵本を作ります。

 

子どもの好きなものや体験にあわせて数の絵本を作ります。

 

1年数のきほんでも紹介されています

 

2歳児とゲーム と 知恵遊び

2歳代の子も楽しめるゲームのルールや知恵遊びを紹介します。

 

『Ballons』は、2歳の子にもわかりやすく楽しめるルールです。

「カードをめくって、黄色い風船につめをたてている猫がでたら、

自分の黄色い風船のカードをひっくり返す」

というシンプルな流れでゲームが進みます。はじめてのゲームにおすすめです。

 

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ミッフィーのえさやりゲームは、フランス製のため購入するのが難しいかもしれませんが、

2歳の子たちにとても人気があるので、他のもので同様のルールを再現するといいかと思います。

2つのえさを裏向きにしてえさのスペースにおきます。

動物の乗ったプレートをまわして、矢印のところでとまった動物の好きなものと裏向きにしていたえさが

マッチしていたら、えさのチップをもらいます。

 

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『ショッピングリスト』も、少し甘めのルールにすると、2歳代の子も楽しめるルールです。

リストにある品物を買い物するゲームです。

下の写真のように、段ボール板にイラストを描いてリスト表を作り、

同じイラストの取り札を作ると、すぐに遊べます。2歳の子と遊ぶ場合、リスト2枚と2枚分のリストにある品物カードを作ったら

十分楽しく遊べると思います。

絵に自信のない方は、スーパーのちらしの食品を切り抜いて貼るのもOKです。

 

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下の写真のようにリストを見ながら集めた品物を置くショッピングカートも作ると楽しさが増します。

 

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